韓国語学習支援サイト 

7.激音の子音と子音字
7.激音の子音と子音字
 破裂音の系統で、激音の字を覚えましょう。
朝鮮語は、日本語で言うところの清音と濁音の対立は字に反映させません。どちらも平音の子音字で書き表します。
そして、日本語の清音に当たるもののうち、この激音はシャープに破裂させて息を激しく出すことに特徴があります。最初練習する時は、ティッシュペーパーを口の前にかざして、平-激-平-激-平-激、のように繰り返して、激音の時にティッシュペーパーが大きく動くように練習するとわかりやすく覚えられる人もいます。手のひらや手の甲に息を当てて、その違いで自分なりの激音を見つけ出すのも良いでしょう。
また、激音は平音よりも音程が若干高くなる傾向があるようです。

 激音の子音字の字形は「息を激しく出し、濁らない印」として平音の子音字に棒を一本加えたものとなっています。発音記号 [ h ] は息を激しく破裂させることを示しています。
激音は語頭でも語中でも、濁ることはありません。

母音字
子音字
[ a ] [ i ] [ u ] [ ɯ ] [ e ] [ ɛ ] [ o ] [ ɔ ]
h  
[ kh ] [ kha ] [ khi ] [ khu ] [ khɯ ] [ khe ] [ khɛ ] [ kho ] [ khɔ ]
h   ティ トゥ トゥ
[ th ] [ tha ] [ thi ] [ thu ] [ thɯ ] [ the ] [ thɛ ] [ tho ] [ thɔ ]
h  
[ ph ] [ pha ] [ phi ] [ phu ] [ phɯ ] [ phe ] [ phɛ ] [ pho ] [ phɔ ]
チャh   チャ チュ チュ チェ チェ チョ チョ
[ tʃh ] [ tʃha ] [ tʃhi ] [ tʃhu ] [ tʃhɯ ] [ tʃhe ] [ tʃhɛ ] [ tʃho ] [ tʃhɔ ]
※表が隠れている場合はスワイプしてください。


  • 日本語にも激音に類似した音はありますし、日本語話者が発音する清音(カ・タ・パ・チャ行)の発声にしても個人差が大きいのですが、朝鮮語話者の耳には、日本語話者の清音はかなりマイルドに聞こえるようです。
    平音と激音の字形が違うということは、息をきちんと意識して激しく出すか出さないかが、意味を持っている証拠です。
    最初の中は意識して出し分けると良い癖がつきます。

母音字
子音字
    イェ イェ
   
[ ja ]   [ ju ]   [ je ] [ jɛ ] [ jo ] [ jɔ ]
hャ行   キャ   キュ   キェ キェ キョ キョ
   
[ kh ] [ khja ]   [ khju ]   [ khje ] [ khjɛ ] [ khjo ] [ khjɔ ]
ティhャ行   ティャ   テュ   ティェ ティェ ティョ ティョ
   
[ th ] [ thja ]   [ thju ]   [ thje ] [ thjɛ ] [ thjo ] [ thjɔ ]
hャ行   ピャ   ピュ   ピェ ピェ ピョ ピョ
   
[ ph ] [ phja ]   [ phju ]   [ phje ] [ phjɛ ] [ phjo ] [ phjɔ ]
hャ行   チャ   チュ   チェ チェ チョ チョ
   
[ tʃh ] [ tʃhja ]   [ tʃhju ]   [ tʃhje ] [ tʃhjɛ ] [ tʃhjo ] [ tʃhjɔ ]
※表が隠れている場合はスワイプしてください。


  • 激音の子音字にヤ行の母音字がついたものは、それほど頻繁に使われるわけではありません。 グレー表示になっているものはほとんど使われていません。
  • 子音字 ㅊ [ tʃh ] にヤ行の母音字がついたものは実質的には 차・추・체・채・초・처 と同じ発音で構いません。

母音字
子音字
ウィ ウェ ウェ(オェ) ウェ ウォ   ウイ
 
[ wa ] [ wi ] [ we ] [ wɛ ] [ we ] [ wɔ ]   [ ɯi ]
Khワ行   クァ/コァ クィ クェ クェ/コェ クェ クォ  
 
[ kh ] [ khwa ] [ khwi ] [ khwe ] [ khwɛ ] [ khwe ] [ khwɔ ]   [ khi ]
Thワ行   トヮ/トァ トゥィ トゥェ トゥェ/トェ トゥェ トゥォ   ティ
 
[ th ] [ thwa ] [ thwi ] [ thwe ] [ thwɛ ] [ thwe ] [ thwɔ ]   [ thi ]
Phワ行   プヮ/ポァ プィ プェ プェ/ポェ プェ プォ  
 
[ ph ] [ phwa ] [ phwi ] [ phwe ] [ phwɛ ] [ phwe ] [ phwɔ ]   [ phi ]
CHhワ行   チュヮ
/チョァ
チュィ チュェ チュェ
/チョェ
チュェ チュォ  
 
[ tʃh ] [ tʃhwa ] [ tʃhwi ] [ tʃhwe ] [ tʃhwɛ ] [ tʃhwe ] [ tʃhwɔ ]   [ tʃhi ]
※表が隠れている場合はスワイプしてください。


ちょっと一言
 例えば「チャ」という仮名を、ハングルの平音の子音字と激音の子音字を使って書き分けてみると、それぞれ 자 / 차 となります。たった一本の棒の違いしかありませんが、この一画は日本語の濁点に匹敵する重要なポイントです。
자 は朝鮮語で「定規、物差し」、차 は「車 / お茶」という意味です。まったく違う語を棒一本の有無で表し分けるわけで、機能としては仮名の記号である濁点と重要さは同じと言えます。
日本語は「濁音」を、朝鮮語は「息を激しく出す」ことを、意味を区別するキーに使っているわけです。どうぞ「プフッ」とか「タハッ」などとおおげさに口走りつつ練習なさってください。そうすれば、笑われることはあっても、意味を取り違えられることはありません。そのうちちょうど良いくらいに息の出も落ち着いてきます。そういうものです。
初級から先の朝鮮語  初級までの朝鮮語・初級からの朝鮮語