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品詞によって形が異なる語尾

 意味は同じでも、つく品詞によって形が異なる語尾があります。
おおむね「動詞・存在詞のグループ」と「形容詞・指定詞のグループ」で語尾の形が異なり、過去 Ⅲ -ㅆ- と意思推量 Ⅰ -겠- の後では品詞にかかわりなく「動詞・存在詞グループ」と同じ形の語尾がつくという傾向にあります。
ただし、語尾によって若干の差違が見られます。とくに存在詞に関して揺らぎが見受けられるのが印象的です。

品詞によって形が異なる語尾
語尾 / 品詞 動詞 存在詞 形容詞 指定詞 全用言
過去
 Ⅲ -ㅆ- の後
意思推量
 Ⅰ -겠- の後
連体形  Ⅰ '-는  Ⅰ '-는  Ⅰ '-는 ( Ⅰ '-는)(1)
 Ⅱ '-ㄴ  Ⅱ '-ㄴ ( Ⅱ '-ㄴ)(2)  Ⅱ '-ㄴ  Ⅱ '-ㄴ
 Ⅱ '-ㄹ  Ⅱ '-ㄹ  Ⅱ '-ㄹ  Ⅱ '-ㄹ  Ⅱ '-ㄹ  Ⅱ '-ㄹ
文中の
疑問
 Ⅰ '-는지  Ⅰ '-는지  Ⅰ '-는지  Ⅰ '-는지  Ⅰ '-는지
 Ⅱ '-ㄴ지  Ⅱ '-ㄴ지  Ⅱ '-ㄴ지
 Ⅱ '-ㄹ지  Ⅱ '-ㄹ지  Ⅱ '-ㄹ지  Ⅱ '-ㄹ지  Ⅱ '-ㄹ지  Ⅱ '-ㄹ지 (3)
前置き  Ⅰ '-는데  Ⅰ '-는데  Ⅰ '-는데(4)  Ⅰ '-는데  Ⅰ '-는데
 Ⅰ '-ㄴ데  Ⅱ '-ㄴ데(4)  Ⅱ '-ㄴ데  Ⅱ '-ㄴ데
下称形
疑問(5)
 Ⅰ '-느냐  Ⅰ '-느냐  Ⅰ '-느냐  Ⅰ '-느냐  Ⅰ '-느냐
 Ⅱ '-냐  Ⅱ '-냐  Ⅱ '-냐
詠嘆(6)  Ⅰ '-는구나  Ⅰ '-는구나  Ⅰ -구나  Ⅰ -구나
 Ⅰ -구나  Ⅰ -구나  Ⅰ -구나  Ⅰ -구나  Ⅰ -구나  Ⅰ -구나
※表が隠れている場合はスワイプしてください。

  • (1)  意思推量 Ⅰ -겠- につく Ⅰ '-는
     意思推量 Ⅰ -겠- には連体形はつかないのが原則であろうと思われます。
    ところが、「知らない人 모르겠는 사람 」のような例があるにはあります。通常は単に모르는 사람 となるべきところです。過剰な適用がなされたのではないかと思われます。
  • (2)  存在詞につく Ⅱ '-ㄴ
     過去連体形としての Ⅱ '-ㄴ は、있은 ・ 없은 のように存在詞について使われることは特殊な場合(法律の条文など)を除いてありません。
    一般的には 있던 / 없던 、있었던 / 없었던 のように、 Ⅰ -던 /  Ⅲ -ㅆ던 が存在詞の過去連体形として使われます。
    また、계시다 に限っては、계시는 と 계신 の両方の用例が見られます。
  • (3)  意思推量 Ⅰ -겠- につく Ⅱ '-ㄹ지
     「(推量として)どうなるのか、どうするのか」という文中の疑問としての Ⅱ '-ㄹ지 は、推量としての意味合いがだぶるためか、意思推量 Ⅰ -겠- には通常つきません。
    「お分かりになるだろうかわからないにしても 아시겠을지는 몰라도 」のように無理矢理なくどい表現としては使えなくはなさそうです。
  • (4)  存在詞 계시다 につく Ⅱ '-ㄴ데
     存在詞には通常 Ⅰ '-는데 がつきますが、계시다 は、계시는데 と 계신데 の両方の用例が見られます。
    있다 ・ 없다 は 있는데 ・ 없는데 の形だけです。
  • (5)  下称形の疑問
     上記の表のようにつけ分けるのが本筋と言えますが、実際には品詞、過去、意思推量を問わず一律に Ⅰ '-냐 の形で使われることも多くあります。
    詳しくは  Ⅱ '-냐 のページの下段 を参照してください。
  • (6)  存在詞につく詠嘆形
     辞書的には存在詞 있다 と 없다 には Ⅰ -구나、계시다 には Ⅰ '-는구나 がつくことになっています。
    これで間違いないのですが、逆に 있다 と 없다 に Ⅰ '-는구나、계시다 に Ⅰ -구나 がつくケースも無視できないだけのオーダーに昇っています。ネット上では 계시는구나 よりも 계시구나 の方がより多く検索にヒットするのが現状です。
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